セント・オブ・ウーマン/夢の香り
SCENT OF A WOMAN

監督:マーティン・ブレスト

出演:アル・パチーノ(フランク・スレード中佐)/クリス・オドネル(チャーリー・シムズ)
ジェームズ・レブホーン/ガブリエル・アンウォー(ドナ)/フィリップ・シーモア・ホフマン
サリー・マーフィー/ブラッドリー・ウィットフォード
ST:脚本−ボー・ゴールドマン/撮影−ドナルド・E・ソーリン
音楽−トーマス・ニューマン/美術−アンジェロ・グラハム
編集−ウィリアム・ステインカンプ、マイケル・トロニック
編集−ハーヴェイ・ローゼンストック/製作−ボー・ゴールドマン
総指揮−ロナルド・L・シュワリー

製作年:1992年

時間:157分

製作:シティ・ライト・フィルムズ・プロ=ユニヴァーサル

配給:UIP

媒体:VIDEO(CIC)/LD/DVD(ソニーピクチャーズ)

備考:アカデミー主演男優賞(A・パチーノ)ヴィスタドルビーSR
ゴールデン・グローブ作品賞、主演男優賞(A・パチーノ)、脚本賞

苦学生チャーリーは、盲目の退役軍人フランクの世話をするアルバイトを引き受ける。しかし、強引にNYへの旅のお伴をさせられる事になり…異質だがロード・ムーヴィー形式で、親子ほども年齢の離れた二人の男をジックリ描き込んだ感動作。
AL WITH OSCAR
学校でのエピードがまだるっこしいが、それなりの必然性を持たせたし、そのチャチさも他のドラマチックな要素から1歩引かせるため…と好意的に解釈。チャーリーの視点でとらえた話になっている。
これまで盲人の役というのは「視線をそらす」事で演じられてきたように思える。相手やカメラ意外の場所をうつろに見ながら…それでも「見る」という行為は感じられた。ところがこの作品におけるアルの瞳の虚ろさは「何も見ていない目」である事に愕然とさせられる。焦点が無い…という感じ?さらにチャーリーが「自分が見られているような気がするけれど見えていない」と思うシーンでの絵のような生気の無さ、そしてクライマックスでさえも瞳を輝かせる事なく徹底して演じきってしまう姿…もぉ快感以上のチキン肌になってしまった。。
彼ほど瞳で物を語れる俳優はいないし、だからこそその瞳を殺して(封じて)しまう事が出来たのではないだろうか。やればやるだけ哀愁を帯びてしまうアルの持ち味がハマりきって、失明した人間の絶望と焦り、自分の存在の情けなさ、それらと軍人として培われた誇りとがぶつかりあって屈折した感情が1つの方向に集約されていくようなテンションの高まりは圧巻。タンゴのシーンの深み、フェラーリのエピソードも忘れ難い。
アルの名演は当然として、オドネルもフレッシュに張り合い、且つ邪魔にならない存在ったのはお利口。男の友情のしみじみした部分、そして“セント・オブ・ウーマン”に関しては、彼らの視点に立ち得ない自分がちょっぴり悔しく思える。(17 May 1993)
★タンゴを踊るシーンで使われている曲は『Por Una Cabeza(サントラにも収録)
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