カリートの道
CARLITO’S WAY

監督:ブライアン・デ・パルマ

出演:アル・パチーノ(カリート・ブリガンテ)/ショーン・ペン(クレインフェルド)
ペネロープ・アン・ミラー(ゲイル)/ジョン・レグイザモ(ベニー・ブランコ)
イングリッド・ロジャース/ルイス・ガスマン/ジェームズ・レブホーン/ヴィゴ・モーテンセン
ジョセフ・シラーヴォ/リチャード・フォロンジー/ホルヘ・ポルセル/フランク・ミヌッチ
ST:原作−エドウィン・トレス/脚本−デヴィッド・コープ
撮影−スティーヴン・H・ブラム/音楽−パトリック・ドイル
編集−ビル・パンコウ、クリスティーナ・ボーディン
美術−リチャード・シルバート/衣裳−オード・ブロンソン・ハワード
製作−−マーティン・ブレッグマン、ウィリー・バー、マイケル・S・ブレッグマン

製作年:1993年

時間:145分

製作:ブレッグマン=ベアー・プロ/配給:ユニヴァーサル=UIP

媒体:VIDEO(CIC)/LD/DVD

備考:シネスコ/ドルビーDTS


親友の弁護士クレインフェルドの尽力で刑期を短縮して出所したカリートは、暗黒街から足を洗おうとする。資金稼ぎにクラブ経営を引き受け、恋人ゲイルとヨリを戻すのだが…やるせないストーリーを任侠映画ノリで見せてくれる。
インパクトの強い冒頭では幽体離脱の如きカメラワークに驚嘆させられ、意表をつく縦長映像には思わず首を曲げたくなってしまう。しかし、コレがなければクライマックスで相当ハラハラできたハズなのだが…。先に手の内見せておいてなお、というデ・パルマなりの挑戦だったのかも。そこここに緊張感を持たせるシークエンスをバラまきつつヤキがまわった主人公のありし日の凶暴性を垣間見せる瞬間芸が見事。
十年前のデ・パルマ&パチーノなら、のしあがろうとしたトニー・モンタナの成功から挫折への道を描いてもなんとかやっていけるけれど、今更同じことを繰り返してもしょうがない、だからここにあるのは新しい恋ではなくヨリを戻してのリターンマッチと、いい加減落ち着きたいのだというボヤキと、ギリギリのところにあるささやかな希望、そして裏切りだけ。カタルシスなにするものぞ!で、やるせなさだけを追いかけていくのだ。カリートの道は極道じゃなく、良い子への道だったけれど、なりきれなくて…というのが哀しいところ。
アルの片手こめかみ抑えの顔面覆いポーズは癖っぽい定番だが、これがくると途端にその両肩にズゴ〜ンと疲労感と苦悩がのしかかって見えて、思わず駆け寄って抱きしめたい衝動にかられるのは毎度のコトだったりする。久々の髭面での登場はまさにイタリア男〜という顔になるのが快感!(さすがにプエルトリカン役なのでミスマッチをマフィアおぢさんがフォローするが…)。あのドアチェーンごしのシーンで、自分がどれだけ間抜けヅラしてスクリーンを見つめていたことか…想像を絶するだらしなさだったに違いない。
老けづくりにしたS・ペンにはビックリ。相変わらずの名演だが、ハマりすぎで「とにかく、しばらくはコイツ嫌い!」だった(『タワーリング・インフェルノ』でリチャード・チェンバレン嫌いになるようなアレね)。GW興行で大コケして打ち切られてしまったけれど、目を楽しませてくれる1本だった。(13 May 1994)
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